『転職したいの!』占いの実例 手段を目的にしてしまった女性

おはようございます。みツばチです。

占いを依頼してくる方の中には、とにかくいろんな人がいます。

悩んで悩んで夜も眠れなくなる人だっているでしょう。

悩むほどのことではない、と周囲から軽んじられて傷ついている人だっているでしょう。

悩みと言うほどではないけれど、まあちょっと見てもらおうか、程度の人だって当然いるでしょう。

今回は、『面白そうだからちょっとやってみた系依頼者』の実例をひとつ。

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とにかくすぐにでも転職したい

20代の女性の方です。

今の職場の人間関係や給与面については緊急を要するような問題はなにもなく、逆に居心地がいいくらい。

家からの通勤距離も近すぎず遠すぎず、寄り道も出来て楽しい。
しかし仕事内容が単調で面白くない。

同系列の仕事であれば、転職しても似たり寄ったりになるだろうから、まったく違う業種に就職したい。

できれば給料が上がって欲しいし休みも欲しい。
なんでもいいから転職できるでしょうか。

占うまでもないでしょう。

なんでもいいなら転職できます。

頑張ってください。おつかれさまでした。

……と言うわけにはいかないのですよねぇ。

いろいろ質問をさせていただいて、依頼内容を補完してみるとこんなふうになりました。

休みがあって、給料が高くて、家から近くて、友達や家族に自慢できて、やりがいがあって、でもノルマはなくて、責任は上司が取ってくれて、経験や資格がなくても優しく接してくれる有名企業に転職したいです。

わあ。

近年まれに見る正直なお嬢さんです。ここまで素直に希望を盛り込める人はなかなかいませんよ。

けれどまあ、望みは高い方がいいですもんね。誰だっていいとこ行きたいですよ。

何をもってして『いいとこ』というのかは人それぞれですが。

彼女の転職活動が思うように進まないのは、この正直すぎる理想の高さが原因なのは言うまでもありません。
いくらなんでも全てを兼ね備えた企業がいったいいくつ存在することか……。

理想にぴたりと重なるところなんて、普通はありません。だから、どこかで妥協しなくてはならない。

給料が安くても居心地の良い、充実した仕事内容の会社を取るのか。
やりがいをもってばりばり稼いで、周囲のライバルたちとしのぎを削るのか。

私はつい、RPGなどでステータスを振り分ける作業を思い浮かべてしまいました。

人間ひとりが持っているステータスポイントはみんな同数だとして、平均的に割り振って特殊能力はなくても何でもこなせるバランス型にするのか。

魔力か筋力か素早さか、いくつかの能力値を低く抑える代わりに他の能力値を高く突出させるのか。

限られたポイントの振り分け方で悩んだことがある人ならわかってもらえると思います。

全部最高値なんて、裏技を通り越してもはやバグ技です。

オンラインゲームなら運営が黙ってないレベルです。

いや、マニアックな例え話はこの辺にしておいて。

気を取り直してカードから読めるキーワードで彼女に問いかけてみました。

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要るものと要らないもの

『今とは違う職種というけれど、どういう職がいいのかは決めてあるの? 具体的にまだ決まっていないのであれば、なんとなくでもいいんだけど。 賃金はいくら欲しいとかの希望は? そこが決まらないと、仕事はたくさんあるんだから探しようがないよ?広い海岸で砂の上に落としたビーズを探すようなもんだよ。時間をかけても成果は出ないよ』

『ああ、うーん。なんでもいいです。今の仕事と関係なければ、どんなんでもいいです』

『どんなんでもよくないから、まだ転職できないんですよね? それに、たとえ膨大な時間をかけて砂の上をくまなく探しても、そもそもビーズが落ちてるかどうかもわからないよ?』

『よくわかんないんですよねー。とにかく今の仕事がつまらないんで。なにか良い仕事とか、占いでわかりませんか?』

『残念ながら、あなたにやりたいことが無いのであれば、今の仕事はあなたに合ってると思うんだけど。漠然とでもいいから、こんなのやりたい、とか無い?』

『なになにあるのか判らないんですよ。だから、なにがいいのか見てもらいたいんです。来月末には今の職場を辞めることは決めてきたんで』

なんとこのご時勢に、次の予定が立たないままに正社員を辞めてくるとは……。

並んだカードを眺めなおしてみても、今のままで転職しても文句しかでなさそうな雰囲気。

落胆して失望して、悪けりゃまた転職ということにもなりかねない。

『なんでもいい』と言う人に限って

『なら、いくつか求人が出ていたものの中で、あなたが希望する条件にぴったりのものに心当たりがあります。けれど本当に今のあなたの仕事とは完全に別物になりますが、それでもやってみようと思いますか?』

『あ、はい! やります!』

『わかりました。では、○○タクシー株式会社が女性乗務員を新規募集しています。二種免許取得のための補助も講習会もありますし、研修期間はたっぷりとってあります。新人教育はかなり手厚いと聞いていますし、福利厚生も申し分ない。それに、地元なら誰でも知ってる有名企業です』

『……え……。いや…………です』

『本社は遠いですが、あなたの家から遠くない場所に配車センターがあったと思うので、おそらくそこへ配属されるんじゃないかな』

『……いやです……』

『なんでもよくて、やりたいこともなくて、今の仕事と別のことがいいのよね? 完全シフト制だから休みは確実。歩合給があるから、やればやるだけ貰えます』

ついに、黙って首を横に振る。

『じゃあ質問を変えます。やりたくない仕事って、どんな仕事? 一応昼間の仕事に限定して、あなたがやりたくないことは?』

『………………』

とうとう固まってしまいました。

タロットと言うのは、無から有を生み出せるカードではありません。
どんな結果が出たとしても、それを実行するだけの本人の意志がなくては意味が無いんです。

たとえば高級車をもらえる未来があったとしても、自分に免許がなかったら運転できませんよね。

なら、いまから免許を取得しにいくのか。

それとも車を売って現金を得るのか。

どちらも自分の選択と行動が必要ですよね。

そういう例え話をして、初めて彼女は自分の甘さがわかった様でもありました。
わかったところで、仕事を続けるつもりはやはり、なさそうでしたけれども。

幸いまだ若いのと、ご両親が健在だというので暫くの間は家事手伝いで居られるとは思います。

アルバイトやパートでも責任ややりがいはあるのだけれど、外聞が悪いと思うのか正社員一択のようですし……。

『ともあれ、今日いまここから帰る途中にコンビニがあったら、就職情報誌を貰うなり買うなりしてください。世の中にどんな仕事があるのかを、それで見て知ってください。それと、自分の言葉に責任を持ってください。なんでもよくないのに、なんでもいいなんて言わないでください。それでもまだなんでもいいなんていうのだったら、さっき言ったタクシー会社に面接行ってください。心配しなくても、おそらくあなたは採用されません。無責任な人間に、乗務員は務まりませんよ』

現在の仕事をするための資格なら持っているということですし、現在のところ今の仕事が本当に彼女には合っていた。

あまりにももったいないよ、せめて同業種で探してみては?とアドバイスさせていただきましたが……。

おそらく彼女は鑑定結果にもアドバイスにも納得していないし、情報誌の入手はしていないと思います。
もちろんタクシー会社へは行っていないでしょう。

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特別な人なんていない

本当はなんとなく判っていたのです。彼女はこう言って欲しかったんだろうな。

あなたには他の人にはないセンスや才能があります。

もっと華やかな仕事、センスを活かせる仕事に就くべきです。ジュエリーデザイナーやネイルアーティストなんか向いてるんじゃないですか? 

グラフィックデザイナーっていうのも夢が広がりますね。雑誌を開けば、あなたが作ったグラビアが紙面を飾っているなんて……素敵なことじゃないですか。

……そんな感じ。

特別な人なんて、そうそういるわけ無いんです。

そうそういないから特別なんです。

能力的に優れていても、それを維持して責任のある行動を取れなくては宝の持ち腐れでしょう?

やれば出来る子であってもやらなければ、一生懸命やってる『出来ない子』に劣るんです。

非常に残念なことですが、彼女からは特別なものは何も感じられなかった。ということは、会社側か彼女に貼り付ける評価はおそらくマイナス点になってしまうでしょう。

資格もあって、正社員なのにもったいないなあ。

家族仲はよさそうだから、そのうちお父さんかお母さんが仕事の口利きをしてくれるかもしれないし、まだ若いからお見合いでもすれば、専業主婦にしてもらえるかもしれないけれども。

……ああ……でも責任感がないのは致命的かな…。

本人にとってやりたい仕事の影も形も見えてないので、新しい仕事をゼロから覚えなおすのはしんどいことだろうし。

もしや今の仕事も、新人が仕事を覚える一番しんどい時期だけを取り上げて、つまらないと言っているのではあるまいな。

おまけのチラ見せカード

ワンドの5です。

絵柄からも判るように、パートナーシップ、共闘などのキーワードを持つカードです。

黄金のスティックを持ち、軽やかに演舞する4人の青年たち。

おや? ワンドの5なのに4人?

1番手前に、スティックの頭だけが見えていますね。

そう、5人目はカードを見ている自分、なのです。

なんと心憎い演出。自分もこの演者の一人だったとは。

これが仲間ってもんですよ。

彼らと共に、協力し合いながら舞うのですよ。

すばらしいじゃないですか。

カードが占い師を仲間にしてくれたような、そんな素敵な気持ちにしてくれるカードです。

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